最近マダニが増えてるとTVでも流れています。
当クリニックにも2名ほどマダニにさされた方が来られました。マダニは野山でかまれることが多いですが、近くの川辺や公園でも見られるので要注意です。マダニに刺されることが原因で野生動物に感染していたウイルスが人間に感染することがまれにあります。感染するウイルスによっては致死率が高いのでTVでも注意喚起をされているのだと思います。(*マダニに咬まれたすべての患者がマダニの媒介する感染症になるわけではありません。)マダニを無理に引きちぎるとマダニの一部が皮膚に残り炎症や感染症の原因になりますので、すぐに皮膚科に行くようにしましょう。(当クリニックでは、ワセリン法をしたり、無理な場合は皮膚生検で切除しております。)
今回、患者様の許可をいただき当クリニックにきたマダニ君を載せさせていただきました。皆さんもマダニに姿を覚えておいてくださいね。
<マダニで起こる感染症>
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
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原因:SFTSウイルス(フレボウイルス属)
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潜伏期間:6〜14日
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主な症状:発熱、下痢、嘔気、白血球・血小板減少、意識障害など
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治療:特効薬なし、支持療法が中心
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致死率:約10%~30%
日本紅斑熱
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原因:Rickettsia japonica
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潜伏期間:2~8日
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主な症状:発熱、全身の発疹(四肢に多い)、刺し口
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治療:テトラサイクリン系抗菌薬が有効(ドキシサイクリンなど)
ライム病
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原因:ボレリア属細菌
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主な症状:環状紅斑、関節痛、神経障害
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国内での報告は春~夏季にかけて主に北部に発生
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治療:抗菌薬治療が基本